温室効果ガス増加の影響で地球の気温が上昇している。
地球温暖化※について語られる言葉で耳にされた方も多いと思います。
温室効果ガスはGHG(Greenhouse Gas)と表現されることもあります。大気を構成する成分のうち、温室効果をもたらすもののことを言います。
代表例として二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O)が挙げられます。
今回はその中でもCH4とN2Oにスポットを当ててお話をしていきます。
なぜCH4とN2Oにスポットを当てたのか最後までお付き合いください。
※出典:気象庁
https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/himr_faq/03/qa.html
CO2換算排出量
環境省発表※では2022年度の温室効果ガス排出量は11億3,500万トンでした。
そのうち、CH4は2.6%を占める2,990万トン、N2Oは1.6%に当たる1,770万トンでした。
因みにCO2は91.1%を占める10億3,500万トンとなっています。
●数値はCO2換算量です。
※環境省>温室効果ガス排出・吸収量等の算定と報告>温室効果ガスインベントリ2024年
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/ghg-mrv/unfccc/index.html#:~:text
CH4内訳
稲作からの排出が43.6%と最も多くなっています。続いて家畜の消化管内発酵に伴う排出(28.9%)、家畜排せつ物管理に伴う排出(9.0%)です。
全排出量のうち農業関係が80%を超えています。
N2O内訳
農用地の土壌からの排出が29.5%と最も多くなっています。続いて家畜排せつ物管理に伴う排出(19.4% )、 燃料の燃焼(固定発生源)に伴う排出(18.3%)です。
全排出量のうち農業関係が約50%を占めています。
稲作や農用地の土壌が非常に高い割合になっています。それは別の機会に取り上げるとして今回は家畜に関する項目を取り上げていきます。
CH4、N2O削減取り組み(1)
家畜の消化管内発酵に伴う排出、家畜排せつ物管理に伴う排出ですが、CH4の排出は家畜の中でも反すう胃を持ち胃の微生物が発酵を行う牛から95%が排出されています。いわゆる牛のゲップです。
一方、飼料の改善や飼料環境の改善でCH4を抑制させる技術が日々進んでいます。
またN2Oの削減はアミノ酸バランス改善飼料(CH4削減にも効果)や土壌管理が効果があると言われ研究が進められています。
CH4、N2O削減取り組み(2)
バイオガスを生成する施設の導入です。要するに家畜の糞尿を発酵させてCH4、N2Oの直接排出を抑えるとともにエネルギー源として利活用ができるということです。
特に肉牛はバイオガス発電に不向きと言われています。理由は肉牛糞尿は含水率が低い、敷き藁など付着物が多いなどです。
ここにALINを導入するメリットがあります。
つまりALINは肉牛糞尿も充分にバイオガス発電として活用できるのです。
私は肉と言えば“牛肉”の関西で生まれ育ちました。したがって地球温暖化に影響がある牛肉を食べないという世界にはなってほしくないです。さりとて願うだけでは解決しません。
もちろん飼料改善など技術革新に期待はします。しかしそれだけでなくバイオガス施設もご検討はいかがでしょうか。ALINを併設することで、より効率よくメタン発酵ができる。そして廃棄物処理量が減少する。言い換えれば廃棄物処理費用が抑えられる。さらに温室効果ガスの抑制にもつながる。そしてさらに再生エネルギーの確保もできる。
その結果、今までと変わらず牛肉をおいしく食べられる(節度ある量と頻度で)世界にしていきたいですね。