前回プラスチックが泣いている Part2では3種類のリサイクルの特徴について説明をしました。
今回はプラスチックゴミ(資源ごみ・廃プラスチック)をサーマルリサイクル(サーマルリカバリー)することで得られる熱回収の選択肢についてお話していきます。
熱エネルギー確保の課題
プラスチックゴミの国内基準リサイクル率87%のうち63%が燃やすことによる熱エネルギーの回収です。
エネルギー資源の国内調達量を上げることは重要な課題の一つです。その意味ではサーマルリサイクルの担う役割は大きいです。
しかし、だからといって燃やすことの環境汚染から目を背けてはならないと考えます。たとえダイオキシン類対策特別措置法で定められた排出基準値をクリアしていてもです。
ダイオキシン類対策特別措置法
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=411AC0100000105
プラスチックは〇〇ごみ
一例としてコンビニ弁当の容器ですが、容器はプラスチックですが捨てるとき、資源ごみの場合と可燃ごみの場合があります。
簡単に言うと食べ終わったあとに洗えば資源ごみ、洗わないと可燃ごみです。
では洗わないまま資源ごみとして捨てるとリサイクルは…できません。廃棄物業者が回収したプラスチックゴミをリサイクルできるできないで選別します。
いずれにしても私たちはリサイクルしやすいよう捨てるときに容器を洗い、正しく分別をしなければなりません。
※自治体によっては資源ごみ扱い、若しくは産廃扱いの場合もあります。
選別の精度
廃棄物処理施設で選別されればリサイクルできるゴミはリサイクルの流れに乗り、生まれ変わります。しかしどこまで適切に選別されているかは不明瞭です。
2022年度プラスチックゴミ
総排出量は823万tでした。その中で一般廃棄物としては424万tです。内、サーマルリサイクルが267万t、単純焼却が46万tありました。燃やす処理が合計313万tです。
皆さんはこの数字を見てどう思いますか?これは〇〇ごみ、それは…どっちかなぁ?〇〇ごみかなぁと考えながら分別していても約74%が燃やされているのです。
サーマルリサイクル内訳
ガス化4万t、固形燃料/セメント原・燃料28万t、発電焼却219万t、熱利用焼却16万t
出典:一般社団法人プラスチック循環利用協会https://www.pwmi.or.jp/pdf/panf2.pdf
プラスチックとの付き合い方
プラスチック問題はプラスチックとの付き合い方を誤った結果です。正しく使い(リデュース・リユース)正しく捨てる(リサイクル)ことで本来は解決できます。
しかし、現実は正しく捨てることができていません。
それをプラスチックが悪いということにして目を逸らさせているのではないでしょうか。
Newサーマルリサイクル
サーマルリサイクル定義
廃棄物を単に焼却処理せず、焼却の際に発生する熱エネルギーを回収・利用すること。日本などで用いられる概念で「エネルギー回収」ともいう。
Newサーマルリサイクル定義
廃棄物を燃やさず処理し、処理残渣をメタン発酵させバイオガス発電として活用すること。
ALIN+バイオガスプラントでは有機物なら分別・選別の必要なく実現できます。
未来への選択
リユーズ・リユースの大切さ、マテリアルリサイクル・ケミカルリサイクルの重要性を踏まえたうえで、それでも国内のエネルギー資源の確保も大事です。
燃やしてエネルギー、燃やさずエネルギー
選択するのは私たちです。